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第99話 竹藪の先

last update آخر تحديث: 2025-08-27 12:05:09

 バイトをする。俺の場合は簡単に出来る事・やれることが見つかってしまったが――探していたわけではないが――まったく当てもなく探すことを考えれば良かったとは思う。確かに夏休みも半ばまで過ぎているこの頃は、なかなか出歩かないとしても懐事情は厳しくなってきていたから。

 車の中ではそのことで俺以外のメンバーは盛り上がっているようだが、俺としてはこれはこれで困るのだ。

――おいおい……。俺たちが向かっている場所の事忘れてるわけじゃないよな?

 まだ向かっている途中なのだ。終わって帰還している途中ではない。しかしとてもはしゃいで盛り上がる中にそんな事を言って割り込む勇気は俺には無いのだ。だから後部座席真ん中で沈黙している。何故かカレンが一番と言える程熱量を持っている気がする。

 そんな形で更に車に乗る事数十分。俺達五人は目的地付近にたどり着いた。

「あら? ここがお話していた場所……なのですか?」

 辺りをきょろきょろと見回していた水野さんが父さんに声をかけた。

「えぇそうですね。とはいっても、聞いている所はもう少し奥の方みたいですが。車で入れるのはここまでのようで」

 親父も周りを確認している。それから伊織が車を下りて、周りをうかがう。俺も遅れないように伊織の後を追う、最後はもちろんカレンだが、今日はいつもの赤い眼鏡をしたポンコツお嬢スタイルだ。まぁアイドルなんだし気にするところなのだろう。

 ○○市は栄えているとはいえ、一部まだ昔の面影を残した街並みが広がっている街だ。住宅地には公園も割と多く、学校や病院などの施設も多い。少し離れたところには小高い山もあり、自然が残っていて過ごしやすいという事で、家族が出来たら移り住みたいランキングにも顔を出す事もある。そんな街の一角。住宅街の近くにある一つの小高い丘の前に車は停められていた。

「あれ?」

今度はカレンが大きな声を出した。

「どうした?」

「アレって○○アリーナよね?」

「ん?」

 カレンが指を指して言うので、俺
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